October 29, 2003
すばらしい書評

野口旭

経済を知らない経済学者

野口旭『経済学を知らないエコノミストたち』日本評論社

本書を読んで思い起こすのは、こういう笑い話である:夜道で落し物をした人が、電柱の灯りの下を探している。「そこに落としたんですか」と聞かれると、「いや、落としたのはあっちなんですが、ここが明るいので探してるんです」。

これは書籍の批評ではなく、書評の批評である。この池田信夫とかいう人は、経済産業研究所の上席研究員らしい。そういうお偉い人のおっしゃる話が


おまけにスタグフレーションの原因が構造問題だというのだから、お笑いだ。これこそ典型的なマクロ問題であり、自然失業率や合理的期待などの概念で説明がつくのだ。「初歩的な経済学」もちゃんと勉強したらどうか。


である。ぷっ。ぼくも大笑いだと思います。さすがです。ぜひご高説をいただきたいものです。しかもそれだけでノーベル経済学賞候補ですね。スタグフレーションの原因を理解するのがいかに難しいか、「初歩的な経済学」の教科書にすら載っているんですから。「自分で理論を作ったことのない亜流ほど理論を絶対化するもの」らしいので、そのすばらしい頭脳で、きっちり組み上げられた理論をご教授頂きたいものです。
池田氏の文章はあまりにもすばらしく、日本語が不得意な自分には何が書いてあるのかよく理解できないのですが、国際競争力というものは幻想であるという国際経済学での理論的な帰結とその第一人者のクルーグマンを否定し、ついでにその尻馬に乗らんとする野口旭を許さない、という気概はひしひしと伝わってきます。
「知らなければならないのは、経済学ではなく経済である」というすばらしいお言葉もお偉い人でなくては発せられないでしょう。私もぜひその域に達したいものです。「知らなければならないのは、物理学ではなく物理である」なんて言ったら、なにねごといってるんだって、その場で全人格を否定されますから。

Posted by senyo at October 29, 2003 10:23 AM
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