今回の選挙をみてもよくわかるのだが、有権者個々人の主張や意志が政党や個人に投票するのであって、政党や個人の気概に感じて投票するのではないということだ。棄権はその意思表示の最たるもの。今回でも天気のせいだとかいわれるが、40%の人たちが投票しなかったということは、その人たちの意志に沿う政党や個人がなかったということを理解するべきだ。
現在の先進国、たとえば日本やアメリカにとって、政策の争点のほとんどは内政、もっと具体的にいうと経済成長、失業、所得再分配(税金や年金や医療費など)だけである。外交や人権問題などはすでにどうでもいい問題になっている。そういう重要な経済・景気問題も、実は中央銀行による金融政策に多くを拠っている。たとえば、アメリカの景気の先行きを考えたときに重要な人物として、日本人でもアメリカの財務長官の名前より連邦準備理事会の理事グリーンスパン氏のほうを知っているということで明らかだろう。国民が選ぶ総理大臣より、官僚である中央銀行総裁の方が経済運営でより大きな力を持っており、政治家は経済問題に対して無力である。せいぜいできることは規制緩和(いわゆる構造改革)くらいであり、これは直近の景気には関係ないし、政治家・官僚の特権や利権が失われていくので実行もしにくい。実はこれが日本で投票率が落ちている最大の原因だと疑っているのだが。
今回の選挙は最初から予見したとおりの結果で、雑感を述べるのも白々しいが、論理的にまとめた文章がbewaad氏のウェブに存在する。ここには雑な個人的な感想を書いておこう。
社民党、共産党は国民がどういう主張に共感を得るのか、あまりマーケッティングに長けていない。今回の選挙で彼らの外交や護憲などの主張は、もう国民には受け入れられないことがはっきりしたと思う。
民主党はやっぱりあまりわかっていなかった。劇場型、テレビ型選挙だとタカをくくっていたのかもしれないが、国民はそんなにバカではないし、よりシビアに与野党の茶番をみていたといえる。自民党とどちらが構造改革路線を強力に推し進めるかで競争しても、政権を取るなどはっきり言って無理である。自民党のできの悪いコピーでしかないからだ。それならこれまで実績のある自民党に任せるだろう。むしろ景気回復路線かつ失業対策を前面に押し出して、自民党との違いを押し出した方がいいのである。公明党のようにデフレ脱却・景気回復を優先にした党は比例区をみてみると大きく議席を増やしている。これは学会票に浮動票の上乗せがあったとみていいのではないか。民主党には、次の参議院選では善戦を期待したいと思う。